「忙しい」は、キャパオーバーの自分を癒すための自己暗示だから、素直に言っていい
フランス人と日本人の働き方の違いの記事を読んで、日本人はなぜ「忙しい」を連発するのかを、自分を振り返りながら、「日本人忙しい大好き」な理由を考えてみました。
(読んだ記事はこちら>>>)
目次
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- 日本人の「忙しい」はキツイ状況でも頑張って仕事していることを、認めて欲しいということ
- 忙しいは「人より倍の仕事をしています」というキャパオーバーの印、かも。
- 社会人になったら、人より倍の仕事をして、定時で帰っても褒めてはもらえない
- 「忙しい」は自分の褒めて欲しい気持ちと褒めてくれない会社の間の葛藤を埋める魔法の言葉
日本人の「忙しい」はキツイ状況でも頑張って仕事していることを、認めて欲しいということ
自分のことを反省する意味で振り返ると、忙しいと人に行っている時は自分が仕事に対してキツイときなんじゃなかろうかと感じます。
その理由の1つは、仕事をしている時に「しんどい」とか「大変」とかいう言葉を発してはいけない気がするから。
こんな言葉を発した瞬間に、バイト感覚で仕事をしているように周りから思われそうで、そんな愚痴はおおっぴらには言えないですよね(笑)。
2つ目の理由は、それ以外の具体化された言葉が見つからないので「忙しい」と言っているんじゃないかと思う。
最近ライティング講座に通って、何も考えないで文章を書くと、実は中身がほとんどない言葉を、結構な頻度で使っていることに気がつきました。
「◯◯の処理の中で、チェック処理を行い、それに引っかかった場合にはエラー処理を行います!」
と、自信満々に言っていたけれど、結局1文の中で「処理」という言葉は3回も使っている上に、一体何をやっているのか全く伝わらないっていう驚きの発見。
冷静に考えてみると、「どんなチェック処理なのか」とか、「エラー処理後はどうなるのか」とか何1つ具体性がないんですよね(笑)。
だけど、とりあえず言っておくと「ハク」みたいなものがつく説明の仕方だと思ってます。
「誰も質問しないで!!!」という雰囲気が醸し出せるというか…それはそれで切羽詰まった結果だと思うのですけれど。
話は逸れましたけれど、「忙しい」と言うと、相手から「へぇ、すごいね」とか「頑張っているね」という社交辞令でもなんでもいいけど、自分が満足できそうな言葉が返っているのに味をしめているんじゃないかと思います。
「最近忙しくて、残業毎日22時までなんだよねぇ…」というと、なんか身を粉にして頑張っている感じもある。
定時じゃ終わらない仕事量を任されているからすごいでしょ?みたいな雰囲気が出せるから、結果として自分の承認欲求を満たすために言ってるんじゃないのかなぁ…って気がする。
忙しいは「人より倍の仕事をしています」というキャパオーバーの印、かも。
もし会社で隣の人に向かって「私ってあなたの倍の量の仕事をしているんですけど!!!」って言い放ったら、おそらく大ヒンシュクを買うと思います。
想像すると面白いけど(笑)
「なんでこんなに忙しいの!」とか、「なんで仕事が終わらないの!!」と言っている人は、「あなたよりも仕事してるんですよ、私は!」っていうアピールなんだと思います。
実際に、私もそうでした。
思い返すと、そいういうときって自分が得意じゃない仕事や、何がわからないかわかない仕事をしているときが多いなと思います。
この1年間くらいは、ずーっと楽しい仕事ができていて、そんなときに「忙しい」なんて言葉は一切使いませんでした。
確かにお昼ご飯食べれないとか、毎日残業はありましたが、「今日も残業だよ」なんていう暇がないほど「仕事が楽しい」という感覚の時だったなぁと。
そう考えると、「忙しい」を連発する人って、仕事に対する自分の能力がキャパオーバーなんですよね(笑)
こなせない仕事を目の前にして、こんなに頑張っているから「褒めて欲しい!!」ってのが本心じゃないかと思います。
社会人になったら、人より倍の仕事をして、定時で帰っても褒めてはもらえない
新卒の方が多い中でこんな話見たらちょっとかわいそうだなぁって思うんですけど、社会人、言っちゃいます(笑)。
会社で、仕事ができる人を褒めるという文化はありません。
私は「お給料」は「毎月20万払うので、お仕事を終わらせてくださいね」という要求をしてくる会社と、働く人との契約だと思っています。
なぜ「仕事を終わらせる」と書いたかというと、仕事が終わらないと会社の利益にはならないから。
例えばケーキ屋さんは、朝から晩まで同じボールで生クリームだけ泡立て続けてたら、いつまでたってもケーキは売れません。
ケーキを作って売るからケーキ屋さんなのです!
だから、仕事を終わらせるのは当たり前。
お給料は、新卒で入ったときと比較して、たくさんの仕事を同じ時間で終わらせるから、昇給するんです。
お店でよく売れるショートケーキもチョコレートケーキも1人でつれるようになったら、お給料が上がる。
単純な仕組みです。
ただ「仕事が終わったこと」に対して会社は褒めてくれません。
当たり前だから。
厳しいけど、これが会社でありビジネスであり安定してお給料をもらうってことだと思います。
「忙しい」は自分の褒めて欲しい気持ちと褒めてくれない会社の間の葛藤を埋める魔法の言葉
でも正直、ずーっと同じペースで仕事を「終わらせ続ける」って結構厳しいですよね。
まず働いている私たちは、機械じゃない(笑)。
調子が良いときも悪いときもあるし、できる仕事とできない仕事もあります。
個人的にすごい頑張って終わらせた仕事だったら、誰かに褒めて欲しいって思うのが当たり前。
だけど何年も、何回も能力以上のパフォーマンスを出さないと会社は褒めてくれません。会社が働いている人を「褒める」ときは、「昇給」か「昇格」です。
1年に1回昇給している人っていますか?1年に1階級ずつ上がる人は?
そうそう、いませんよね(笑)。
頑張っているのに滅多に褒めてもらえないばかりか、まだ売り上げを出せ、利益を出せ、経費を削減しろと責め立てられる。
だからこそ、人は「忙しい」と周りに言うのだと思います。
なぜなら頑張っている自分を褒めて欲しいから。
(私も褒めて欲しい 笑)
こう考えると、働く人が自分の能力以上の仕事をやっているんだから、会社は働く人をその都度褒めるようなシステムが必要なのかもしれない。
そのくらい日本人のサラリーマンというのは、大変な思いをしているんだろうなぁ…と切ない気持ちになりました(笑)。
10分あなたを褒め続けますっていうサービスがあったら、日本のサラリーマンが殺到しそうだなぁとふと思いました。
…今日は、仕事帰りにSkypeをしてきた彼をたくさん褒めてあげよう(笑)